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赤ちゃんのヒヤリハット模型

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乳幼児の家庭内事故予防のためのインタラクティブな住宅模型と映像。
企画および模型のクリエイティブディレクションを担当しました。

東京都K区保健センターに常設展示。

科学的分析(保育園アンケート集計結果など)にもとづき、年齢(月齢)ごとの発生率・危険率の高い事故をLEDや人形で提示するハザードマップとしての住宅模型です。

模型の上のディスプレイでは

  • 事故の統計データを視覚的に表現した資料
  • 事故防止を促す動画
  • 子ども目線と大人目線の比較

を流しています。

背景

転落、溺水、誤飲、火事などの「不慮の事故」は日本での乳幼児死因の上位にあり、長年にわたりこの傾向は変わっていない。救急搬送される0〜5歳児は年々増え続けている。

子どもの事故防止は社会全体で取り組むべき課題だという認識のもとに考えると、科学的分析に基づいた防止策を戦略的に実施していく必要があることがわかる。現状で対策として実施されている親への具体性のない注意喚起(「目を離さないで下さい」「気をつけて下さい」等)ではなく、安心して過ごせる環境整備や、親への専門的教育、心身のサポート、事故のデータ収集や分析などの具体的アプローチが必須である。

これらの対策は、行政が主導となって多くの人々に行き届くサポートとして提供すべきである。ヨーロッパ地域の子ども事故レポート「TACTICS」では、事故の詳細な分析や安全度に加え、各国の行政のリーダーシップも評価しランキングにしている。子育て家庭に直接的なアプローチが可能な地方自治体は特に積極的に事故防止に取り組む姿勢が重要である。

そこで、子ども事故は社会で取り組むべき「健康問題」であると捉え、親への注意喚起にとどまらない、科学的分析に基づいた防止策を実施する。特に子どもは成長に伴って事故の発生箇所や重症度が変化することに注目し、年齢(月齢)ごとのリスクの高い事故に的を絞った対策を実施する。